2013-03-09 街の記憶 笑い声が聴こえる 遠い昔に聞いたことのあるような 声を追って 角を曲がるが そこはまた 似たような乾いた道やせこけた犬が 声も無く唸る 窓からむずかしい顔をしたおじいさんが 「もう 戻りなさい」と 言う 意地になって進む町はわけのわからない形に歪んで私を ひるませようとする そこは笑い声が 失われた町 記憶だけが残る町 歳をとることを やめた故郷 .